日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第22回大会準備委員会
セッションID: P1-20
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顔魅力認知方略における世代普遍性
*米満 文哉*菅井 万智*有賀 敦紀
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抄録
マスク顔はマスク非着用顔よりも魅力が過大に評価される (i.e., マスクバイアス) 。さらに,Sugai et al. (submitted) は大学生が複数の異性のマスク着用顔を恋人もしくは友人として評価すると,男性が女性を恋人として評価する場合においてマスクバイアスが顕著になることを明らかにした。この現象の説明として,生殖コストに基づいた配偶者選択における男女の方略の違いが考えられるが,それを支持する知見は乏しい。本研究はこの点について更なるエビデンスを提供するために,実験参加者に1人のみの顔刺激を評価させることで生態学的妥当性を高めた実験1および,生殖機能が衰えた高齢者を参加者とすることでマスクバイアスの世代普遍性を確かめる実験2を行った。その結果,両実験とも男性においてのみ女性を恋人として評価する際のマスクバイアスが友人よりも有意に高く,女性では恋人と友人間に有意差はみられなかった。この結果は,生殖コストに基づいた配偶者選択における顔魅力の認知方略が頑健であり,生涯にわたって男女ともに維持されることを示唆する。
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