日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第22回大会準備委員会
セッションID: P1-21
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マスク着用顔に対する単純接触効果
*菅井 万智*牧野 博大*濱野 揚茂*笠野 遊*八木 善彦*有賀 敦紀
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抄録
マスク着用顔はマスク非着用顔よりも魅力度が過大に評価されることが示されてきた (マスクバイアス)。マスク着用顔の魅力評価の研究は,実験参加者にマスク着用の未知顔を1度のみ呈示して魅力評価をさせる課題を用いたものが多い。しかし,日常場面では同一人物のマスク着用顔を何度も目にする機会があり,この点に着目したマスク着用顔の魅力評価に関する研究は少ない。顔刺激への単純接触はその顔への好意度や魅力度を上昇させることが示されている。そこで本研究では,マスクバイアスが単純接触によって高まるかどうかを検討した。大学生の男女の参加者は,女性のマスク着用顔刺激がそれぞれ10回ずつ呈示される単純接触条件と,女性のマスク着用顔刺激が1度も呈示されない単純接触無し条件の両方を経験し,各顔刺激の魅力を評価した。その結果,単純接触効果が生じたが,マスクバイアスに有意差は見られなかった。この結果は,単純接触効果が,マスク着用顔から非着用顔へ転移している可能性を示唆している。
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