主催: 日本認知心理学会
会議名: 日本認知心理学会第23回大会
回次: 23
開催日: 2025/05/31 - 2025/06/01
クイズ、特に早押しクイズでは、熟達者は時に不完全な情報から素早く正確に判断を行う。しかしその認知機序は、行動科学の観点からはほとんど検証されていない。本研究は、クイズ回答者が問題文を聞いて回答を導く際の認知プロセスを、証拠蓄積モデルの枠組みで定量的に検証することを試みた。まず計算論モデルとして、問題文中の明確な単語を聞いて一気に証拠を蓄積するFixingモデル、および様々な単語を手がかりとして証拠を蓄積するDriftモデルを提案した。続いて、クイズ熟達者と非熟達者を対象に、早押しクイズを模した行動実験を行った。個人の判断パターンをよりよく説明したモデルは、熟達者ではDriftモデル、非熟達者ではFixingモデルであった。よって、熟達者は非熟達者と比べて、問題文のあらゆる箇所を手がかりに判断していることが示唆された。このパイロット研究は、不確実性下の判断についての新たな知見を提供する。