長崎497号松浦2号トンネルは,延長1290mの山岳トンネルで,内空幅約14mの大断面トンネルである。山岳トンネルにおいて,覆工コンクリートはトンネルの最終仕上がり面となる。このため,本工事においても,覆工コンクリートの施工については,品質の高いコンクリートを構築することが求められた。また,掘進側坑口部では,民家と近接する区間があり,トンネル掘削に伴う地表面沈下により民家に変状が生じるおそれがあった。このため,適切な地表面沈下対策を実施し,トンネル掘削による民家への影響を最小限にすることが求められた。本稿では,本工事において実施した覆工コンクリートの品質向上対策,および地表面の民家に対する地表面沈下対策について報告する。