原子衝突学会誌しょうとつ
Online ISSN : 2436-1070
キラル光電子分光の基礎
鈴木 喜一
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 20 巻 2 号 p. 9-27

詳細
抄録

気相のキラル分光が最近注目を集めている.気相は低密度なので,光吸収の円二色性(CD)の測定は困難である.光吸収の CD が小さいのは磁気的相互作用が必要だからである.そこで,磁気的相互作用が不要な方法として,光電子分光が注目されている.光電子分光の特徴の一つが,対称性を選ばず,すべてのキラル点群が対象になるところである.これは,光吸収の CD と同じ性質である.さらに,光電子の反跳作用によるエナンチオマーの分離,時間分解分光,さらに光解離への展開にも期待が持たれている.ここでは,円偏光を利用したキラル光電子分光の原理を解説する.

著者関連情報
© 2023 原子衝突学会
feedback
Top