主催: 日本船舶海洋工学会
会議名: 令和7年 日本船舶海洋工学会 春季講演会
回次: 40
開催地: Ehime Prefectural Convention Hall
開催日: 2025/05/29 - 2025/05/30
p. 777-788
与えられたスペクトルを分割してガウス確率過程を生成する方法として,成分波の振幅を確率変数とする方法(RAM),位相を確率変数とする生成法(RPM)とがある.本論文ではこれらにより生成された時系列の統計的性質を明らかにするため,古典的な推測統計のアプローチに基づき,これらの標本自己相関関数(ACF)の共分散,分散の厳密な理論式を導き,さらにその近似式を導いた.RAMの標本ACFの分散は,連続型の値(理想的なガウス過程から区間Tのデータを抽出したときに生じる分散)を単に周波数で離散化したものに相当するが,RPMの標本ACFの分散は,RAMおよび連続型の値より小さく,その減少量はデータ長と時系列の繰り返し周期の比に比例することが明らかになった.さらに,スペクトルを不等間隔で分割することは,時系列の繰り返しを避けるだけでなく,RPMにおいて標本ACFの分散が連続型よりも小さくなることを緩和する効果があることを理論的に示した.