主催: 日本船舶海洋工学会
会議名: 令和7年 日本船舶海洋工学会 春季講演会
回次: 40
開催地: Ehime Prefectural Convention Hall
開催日: 2025/05/29 - 2025/05/30
p. 789-802
与えられたスペクトルを分割してガウス確率過程を生成する方法として,成分波の振幅を確率変数とする方法(RAM),位相を確率変数とする生成法(RPM)とがある.これらにより生成された時系列の統計的性質を明らかにするため,前回の論文ではこれらの標本自己相関関数(ACF)の共分散,分散の厳密な理論式および近似式を導いた.本論文ではそれに続き,これらの時系列をフーリエ変換して得られるスペクトルに対する推測統計を行い,標本スペクトルの平均,分散,共分散等の理論式および近似式を導いた.本検討により,RAM, RPMの標本スペクトルは,スペクトルの刻み幅とデータ長Tから定義される基本周波数の比のパラメータκにより特徴づけられることが判明した.κが1を上回るとバイアスが生じ,かつRPMの標本スペクトルの分散はκが増加するにつれ小さくなり,さらにスペクトルを計算する周波数はスペクトルを分割した際の離散周波数における値を計算すると分散を小さく抑えられることが示された.この性質は,RPMの時系列を入力としたシミュレーション等により応答のスペクトルを推定する際に役立つと考えられる.