日本調理科学会誌
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3種のだしにおける食酢の減塩効果の検討
坂本 真里子岡田 千穂井上 あゆみ吉田 達郎小笠原 靖赤野 裕文畑江 敬子
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2009 年 42 巻 3 号 p. 159-166

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抄録
実用調味食塩濃度における3種類のだし(コンソメだし,かつお節だし,鶏がらだし)への食酢の添加が塩味の強さに与える影響を,20歳代女子学生をパネルとする官能評価により検証した。食塩濃度が0.8%と0.7%,および0.9%と0.8%となるよう調製した3種類のだしの塩味の強さをパネルは有意に識別できた。しかし,食塩濃度の低い方に酸度0.005%,0.01%,0.02%となるように米酢または米黒酢を添加した場合には塩味の強さが有意に識別できなくなった。以上の結果から,3種類のだしにおいて食酢の添加により減塩効果が得られることが確認された。食酢の添加による減塩効果は,米酢と米黒酢の間に明確な違いは認められなかった。嗜好においては,コンソメだしと鶏がらだしでは米酢の添加で,かつお節だしで米黒酢の添加でそれぞれ嗜好が損なわれず減塩できたことから,メニューによって望ましい食酢の種類があることが示唆された。
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© 2009 一般社団法人日本調理科学会
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