日本調理科学会誌
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タイム(Thymus vulgalis L.)生葉の保存方法による香気成分の変化
佐藤 幸子数野 千恵子西島 基弘
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2009 年 42 巻 3 号 p. 153-158

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抄録
タイムの生葉と自然乾燥葉の香気成分について検討した。また,生葉を冷蔵保存したときのパッケージ方法の違いがもたらす香気成分の相違について検討した。
生葉の香気成分はGC-MS分析により14成分を同定できた。GC-O分析により生葉と自然乾燥葉の匂い強度の変化を比較すると,自然乾燥葉では,α-pineneとlinaloolおよびborneolが主な香気成分となり,ラベンダー様の甘い香りときのこ臭の特徴的な香りにより構成されていた。
冷蔵保存は,タイム香気成分の減少をもたらした。生葉を密閉パック及び真空パックして冷蔵保存した場合,パッケージ方法による香気成分構成割合の相違はあまり認められなかった。GC-O分析により,冷蔵保存後の変化を比較すると,青葉香のα-pineneと甘い香りのlinaloolが主要な香りであった。
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© 2009 一般社団法人日本調理科学会
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