寒天ゲル(AG)の力学的・熱的特性におよぼす豚皮由来コラーゲンペプチド(CP)の濃度と加熱温度の影響について破断特性,動的粘弾性,示差走査熱量測定(DSC)より検討した。CP水溶液を10℃まで冷却しても
G′と
G″の周波数依存性は液体の挙動を示した。AG-CPゲルの破断歪,破断応力,初期弾性率は添加濃度が20%以上に増えると減少した。AG(5 w/w%)は昇温DSC測定において,78.8℃に吸熱ピーク,降温 DSC測定において32.5℃に発熱ピークを示した。CP(30 w/w%)は,20.2℃付近に吸熱ピーク,10.0℃付近に発熱ピークを示した。AG 5 w/w%-CP 10~40 w/w%では,2つの吸熱ピークを示し,AG 5 w/w%-CP 50 w/w%では,ひとつの吸熱ピークを示した。CPがAGのゲル化を阻害することが推察された。
加熱温度による影響では,60℃および90℃ではCPの分子量変化は認められなかったが,90℃加熱AG-CPゲルは,60℃ゲルより貯蔵弾性率,破断歪はやや高かった。
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