日本調理科学会誌
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42 巻, 4 号
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総説
報文
  • 高橋 真美, 森髙 初惠
    2009 年42 巻4 号 p. 225-237
    発行日: 2009年
    公開日: 2015/01/30
    ジャーナル フリー
    紅麹がパンの組織と色調に及ぼす影響について,組織観察,力学特性および色調を測定して検討した。紅麹の粒度が大きく添加量が増すほど気泡壁面の損傷が大きく,気泡も小さくなり,小孔も多数観察された。紅麹の粒度が大きく添加量が増すほど無添加に比べて比容積は小さく,パンの硬さは増し,凝集性は低下した。遮光保存したパンの色調の変化はほとんど認められなかったが,紫外線照射したパンでは,色調の変化が著しかった。官能評価の結果,0.5%および1.0%紅麹添加パンは,6項目すべてにおいて高く評価され,「味」では2.0%紅麹添加パンにおいても高く評価された。
  • 小笠原 靖, 吉田 達郎, 岡田 千穂, 坂本 真里子, 赤野 裕文, 畑江 敬子
    2009 年42 巻4 号 p. 238-243
    発行日: 2009年
    公開日: 2015/01/30
    ジャーナル フリー
    料理への食酢の添加が塩味の強さに与える影響を官能評価により調査し,料理における食酢の減塩効果について検討した。本研究の被験者グループは,食塩濃度が1.0%と0.8%と0.6%の鶏がらだし液,0.8%と0.7%,および,0.8%と0.6%のミックス野菜スープ,0.8%と0.7%の豆腐の食塩濃度差を有意に識別できた。鶏がらだし液,ミックス野菜スープに酸度0.135%相当の食酢を加えた場合,0.2%の食塩濃度差は有意に識別されなくなった。この効果は強い酸味で塩味の強さが識別され難くなる減塩効果と考えられた。また,同濃度の食酢とカプサイシン0.07ppm相当の唐辛子抽出物を加えた鶏がらだし液では0.4%の食塩濃度差が有意に識別されなかったことから,辛味は酸味と相加的な減塩効果を有することが示唆された。食塩濃度0.8%と0.7%のミックス野菜スープ,豆腐で,食塩濃度0.7%の料理に酸度0.01~0.04%相当の食酢を添加した場合,0.1%の食塩濃度差が有意に識別されなくなる場合があった。この効果は少量の酸味で塩味が増強される減塩効果と考えられた。これら2種類の減塩効果を料理の種類に応じて使い分けることで効果的に減塩できるものと考えられた。
資料
  • ―年中行事を例に―
    島﨑 とみ子
    2009 年42 巻4 号 p. 244-254
    発行日: 2009年
    公開日: 2015/01/30
    ジャーナル フリー
    本報告は幕末の京都に住む商人の日記をもとに,暮らしと食を年中行事に絞り,その一端を明らかにしようとしたものである。
    その結果は,年中行事の中,最も大きな行事は正月であった。彼は日常に交際ある人々を大事に考え,飲食を共にしている。料理は豊富に魚介類が使われ,野菜類は京都近郊の物が多い。
    また,信仰にもとづく行事では,寺と神社で料理・食品の使い方が区別されていた。行事の扱い方には差違がみられる。敬重に行なわれるもの,簡略化あるいは遊興的に変化したものがあった。
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