日本調理科学会誌
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衛生ボーロの性状に及ぼす各種デンプンの影響
杉本 温美蒲 尚子石井 由佳里伊井 佐和子菊田 千景川西(朝岡) 正子
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2009 年 42 巻 5 号 p. 315-321

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抄録

5種類のデンプンを用いて調製した衛生ボーロについて官能検査を行った結果,総合評価はジャガイモ>ヤマノイモ>Normal-maize>High-amylose maize>Waxy-maizeの順で,ジャガイモデンプンならびにヤマノイモデンプンで調製した衛生ボーロの方が,トウモロコシデンプンで調製したものより好まれた。ジャガイモデンプンの膨潤度は他のデンプンに比べて高く,また,ジャガイモデンプンで調製した衛生ボーロの糊化度は26.9%で,他のデンプンの2.7~5.5%と比べて高かった。それらが,ジャガイモデンプンで調製した衛生ボーロの清涼感や総合評価の高い理由ではないかと考えられたが,ヤマノイモデンプンで調製した衛生ボーロも高い評価を得た。ジャガイモやヤマノイモデンプン粒はトウモロコシデンプン粒よりも粒が大きく,衛生ボーロの組織構造の違いが食感に影響を及ぼす一因ではないかと考えられた。

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© 2009 一般社団法人日本調理科学会
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