抄録
10℃で12日間保存した白菜浅漬の微生物叢および化学的特性の検討を行った。その結果,浅漬の低温保存中において保存8日目以降,生菌数および乳酸菌数の増加が観察され,それに伴いpH,濁度,酸度の数値が急変した。保存中の微生物叢の変遷は,保存当初は土壌や環境由来の菌が検出されたものの,保存日数の経過とともにLeuconostoc mesenteroidesが主要菌叢として推移した。保存10日目以降ではLeu. mesenteroidesが主要であるものの,L. sakei,L. curvatusのLactobacillus属も多く検出された。従って白菜浅漬の保存中の変敗は,Leu. mesenteroides,Leu. carnosum,L. sakei,L. curvatusなどが関与したものと考えられた。