日本調理科学会誌
Online ISSN : 2186-5787
Print ISSN : 1341-1535
ISSN-L : 1341-1535
資料
無洗米,普通米の製造・利用におけるライフサイクルCO2 排出量
鈴木 敬子
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 42 巻 5 号 p. 342-348

詳細
抄録
無洗米の環境効果を明らかにするため,無洗米と普通米について,精米工程から炊飯工程開始までのLC-CO2評価を行った。無洗米には,4種類の製造方法があるが,製造時の燃料消費量が明確に公表されているBG(Bran Grind)精米製法の場合について考察した。その結果,共通である精米工程を除いた場合,米1 kgあたりのCO2 排出量は,普通米の0.078 kgに対し,無洗米は0.016 kgであり,普通米の約20%であることがわかった。普通精米をBG無洗米に替えることは,とぎ洗いの手間や時間も省け,CO2 排出量削減効果の高い有効な手段といえる。
また,無洗米製造の副産物である肌ヌカを水稲栽培の肥料に利用した場合は,化学肥料のみを使用する場合に比べ,米1 kgあたり,0.017 kg-CO2増加した。
著者関連情報
© 2009 一般社団法人日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top