日本調理科学会誌
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鮭の頭で調製した“煮こごり”残渣部の食品への利用
―残渣入りパウンドケーキの嗜好性と抗酸化性の検討―
永塚 規衣小松 あき子原田 和樹長尾 慶子
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2009 年 42 巻 6 号 p. 404-409

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抄録
廃棄物のゼロミッションに貢献するために,鮭の頭から“煮こごり”を調製した後の残渣を再び食品に活用しようと試みた。残渣を添加したパウンドケーキを焼成し,本学調理科学研究室の学生・職員29名に対しての官能評価並びに活性酸素のペルオキシラジカルの捕捉活性を測定した。
その結果,醤油・砂糖で味付けした煮こごり残渣中には高いペルオキシラジカル捕捉活性が残存していたが,その残渣を添加したパウンドケーキの嗜好性並びにペルオキシラジカル捕捉活性は残渣添加量を8 wt%,20 wt%と増加しても有意差はなく同程度であった。残渣に黒ゴマを添加したパウンドケーキの官能評価を行ったところ,魚臭がマスキングされ,総合的に好まれる結果が得られた。また,ペルオキシラジカル捕捉活性も残渣のみのパウンドケーキに比べてゴマ添加により有意に増強されることが明らかとなった。
以上の結果から,“煮こごり”残渣は単独利用よりも調味料や副材料と上手く組み合わせることで,栄養・嗜好性並びに抗酸化性に優れた食品として再利用できる可能性が示唆された。
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© 2009 一般社団法人日本調理科学会
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