日本調理科学会誌
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使用限界(風味点数3)に達したフライ油の特性
日本調理科学会近畿支部 揚げる・炒める分科会
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2010 年 43 巻 1 号 p. 38-43

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抄録
風味点数3に達した油の特性を劣化指標や官能評価から明らかにすることを試みた。じゃがいも,鶏ささみ,豚ヒレを用いて,「素揚げ」と「衣揚げ」を行い,フライ油の色,酸価(AV),アニシジン価(An.V),カルボニル価(CV),粘度の分析と官能評価を行った。
各分析項目間の相関を調べたところ,AVと色,An.VとCV,An.Vと粘度上昇率,CVと粘度上昇率との間に相関が得られた。さらに各分析項目と官能評価項目との間の相関を調べると,CV,An.V,粘度上昇率と「油臭さ」との間に相関が認められた。一方,AVと色は,An.V,CV,粘度上昇率および官能評価の「油臭さ」のいずれとも相関は認められなかった。したがって,風味点数3の油は判定した官能評価項目の中では,「油臭さ」が指標となっており,その特性は,An.V,CV,粘度によって影響を受けることが示唆された。
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© 2010 一般社団法人日本調理科学会
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