抄録
岐阜県産小麦粉(中国152号)の製パン性を製粉方法による粒度の面から検討した。ロール製粉機による製粉(中国152号(I)),テストミルによる製粉(中国152号(II))の2種類で製粉し,これらの小麦粉粒度,色差,製パン性等を比較した。
小麦粉の平均粒度は,中国152号(I)95.5μm,同(II)56.9μmであった。粒度分布タイプも異なり,中国152号(I)にふすまの混入が示唆された。小麦粉の色差は「感知できるほど」の差がみられた。
製パン結果では,比容積は中国152号(II)が(I)より高い結果であった。パンの色差は,小麦粉の色差結果より差が大きかった。パンのクリープ試験結果では,中国152号(II)は1CWに近く,中国152号(I)と(II)には顕著な差がみられた。
パンの品質評価は,中国152号(I)の焼き色と色相の2項目が低かった。官能評価では中国152号(I)は(II)と比較して香り以外のすべての項目で低い評価であった。