日本調理科学会誌
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食育の観点からみた箸の持ち方と食事マナー
山内 知子小出 あつみ山本 淳子大羽 和子
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2010 年 43 巻 4 号 p. 260-264

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抄録

本研究の目的は,学生の箸の持ち方の実態を把握し,受けた指導や食事マナーに対する意識との関連を明らかにすることである。写真撮影法により,87名の女子学生の箸の持ち方を分類した。伝統群は60.9%,その他非伝統群は39.1%あり,多くの女子学生が伝統的な持ち方を身につけていないことがわかった。非伝統群の箸の持ち方は6種類に分類できた。伝統群は幼児期から長期にわたり父母の指導を受けており,伝統的な箸の持ち方が習慣化した。一方,非伝統群は指導を受けた時期が遅く,指導期間も短期間であった。幼児期までに伝統的な箸の持ち方を継続的に教育する必要性が示唆された。伝統群は非伝統群より箸の正しい持ち方や家族揃って食事をすることの大切さに関して有意に(p<0.05)意識が高かった。両群ともに伝統的な箸の持ち方を次世代に継承したいと考えていた。

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© 2010 一般社団法人日本調理科学会
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