清酒および味噌について4ヵ月間にわたり雪室貯蔵を行い,その品質に及ぼす影響について,理化学的性状と官能評価により検証した。貯蔵環境の調査では雪室区は,4ヵ月間の平均値で温度1.7℃,湿度96.9%RHを示し,高湿度状態が安定的に保持された。得られた理化学的性状および官能評価について統計解析を行った。
その結果,主成分得点より,清酒は寄与率の高い第一主成分を中心に,雪室区と対照区および慣行区の2群の差異が大きいことが示された。味噌は,雪室区,対照区および慣行区それぞれほぼ等間隔に3群に布置される傾向であった。主成分負荷量および因子分析による因子構成より,雪室貯蔵した清酒と味噌は,主に色調,酸味,旨味,甘味および香りの因子に,影響を及ぼす可能性があることが示唆された。
抄録全体を表示