キヌア澱粉と対照としてコメおよびトウモロコシ澱粉を用いて,低濃度における澱粉糊の流動特性および静的粘弾性を検討した。3種の2,3,4%の澱粉糊の流動特性を20,30,40,50°Cで測定したところ,キヌア澱粉糊は濃度および温度依存性が他の澱粉糊より低かった。5°Cで測定した各10%澱粉ゲルのクリープ曲線は,すべて瞬間変形部をフック弾性体,遅延変形部は1組のフォークト粘弾性および定常変形部はニュートン粘性体の4要素型模型に対応させて解析したところ,キヌアは,遅延時間が短く,定常粘性率も比較的低いのが特徴であった。破断特性値では,キヌアが破断応力,破断エネルギーおよび初期弾性率が最も低かった。