日本調理科学会誌
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ドレッシングの使用がキク科野菜の苦味を緩和する
堀江 秀樹
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2011 年 44 巻 6 号 p. 407-410

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抄録
エンダイブは苦いキク科野菜であり,lactucopicrin 15-oxalate (LO)と極少量のlactucopicrin (L)を含む。Lの苦味はLOよりかなり強かった。LOは中性や弱アルカリ性ではLに分解されるが,弱酸性では Lの生成が抑制された。エンダイブ葉を食べる官能試験の結果,葉を咀嚼するうちに苦味が強くなり,苦味はドレッシング使用によって緩和された。口腔内で葉が唾液と混合される際にL(苦味成分)はLO(より苦くない成分)から生成され,Lの生成はドレッシングの酸によって抑制されたためと考えられる。
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© 2011 一般社団法人日本調理科学会
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