抄録
本研究の目的は,食物のライフサイクルで排出されるCO2量と食物の総合評価得点との割合を環境効率で表し,食の持続可能性を表現する指標とすることを提案するものである。食物分野で用いられる環境効率は食物の価値評価を環境負荷量(CO2排出量)で除することによって得られる。モデルケースでは,メニューを食べた時の官能評価を行い,環境効率の分子とした。評価項目は,栄養,安全・安心感,経済性,利便性およびおいしさとした。分母は食品を生産・輸送・調理までの1食当たりの環境負荷量とした。その結果,これらの環境効率指標は健康と味を損なわずに環境を考え,持続可能な食物ライフスタイルを続けるための重要情報を提供することが明らかになった。