水温上昇速度1.5~20℃/minで加熱する場合もしくは沸騰水加熱におけるジャガイモの内部温度および硬さの変化をプログラム計算により予測し,最適加熱時間を算出した。計算の結果,沸騰のみで加熱を行った場合に比べて,水温上昇期を利用することで適度な硬さとするための沸騰継続時間が短縮され,試料形状の違いによる沸騰継続時間の差も小さくなった。水温上昇速度が3℃/minよりも緩慢になると硬化の影響が大きくなり,沸騰継続時間は長くなった。水温上昇が1.5℃/minと緩慢な加熱,もしくは95℃一定温度での加熱により試料内部の硬さは均一となり,煮くずれしにくいことがシミュレーションにより示された。5段階評点法による官能評価を行ったところ,1.5℃/minでの加熱により調製した試料よりも煮くずれがほとんどないと評価された。