抗酸化能を高めた洋食献立を立案するために,具体的な加熱調理操作や食材の下処理,食品の組み合わせ方法を検討し,料理単品および献立単位での抗酸化能評価を行った。
栄養面に配慮した基本献立を立案し,主食は米粉パンとして副材料を,汁物のコンソメスープではストックの調製方法を,主菜のアジのソテーではソースの食品選択を,付け合わせのジャガイモ料理では品種などの食品選択および加熱調理操作を,副菜1のベビーリーフサラダおよび,副菜2のヨーグルトゼリーでは,かけるソースやドレッシングの食品選択をそれぞれ変えて,抗酸化能を高める料理の最適条件を検討した。抗酸化能測定は,化学発光法を用いてペルオキシラジカル捕捉活性をIC50値で評価した。
その結果,主食ではクルミ添加米粉パンが,汁物ではスライス肉に香辛料を加え加熱中にアク抜き処理操作をしたストックが,主菜ではアジのソテーのトマトソースがけが,付け合わせはキタアカリ種に生パセリ添加ジャガイモ料理が,副菜1ではゴマ油ドレッシング使用が,副菜2ではブルーベリーソースがけが抗酸化能を高める料理であった。これら抗酸化能の高い料理を組み合わせたモデル献立そのものについて抗酸化能を測定した結果,基本献立に比べて抗酸化能が有意に高くなり,理想的な洋食献立として提案できることが示唆された。
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