日本調理科学会誌
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鶏肉のラジカル捕捉活性
露口 小百合山口 智子高村 仁知的場 輝佳
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2012 年 45 巻 6 号 p. 429-437

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抄録

 鶏肉のラジカル捕捉活性について,ブロイラー(モモ・ムネ・ササミ・手羽元・皮・肝臓・砂肝),地鶏肉(モモ・ムネ・ササミ・手羽元・皮・肝臓・砂肝)およびハーブ鶏肉(モモ・ムネ)の三種を測定し,それらの抗酸化成分について検討した。鶏肉中のラジカル捕捉活性はDPPH-HPLC法とデオキシグアノシン酸化法を用いて測定した。鶏肉中の活性成分としては,アスコルビン酸とトコフェロールと総ポリフェノール,さらにグルタチオンについても検討した。鶏肉の全部位において,いずれもラジカル捕捉活性を示し,特に肝臓は高い活性を示した。ハーブ鶏肉や地鶏については,ムネのラジカル捕捉活性がブロイラーと比較して有意に高かった。ラジカル捕捉活性の成分は,グルタチオンが少量,アスコルビン酸,トコフェロールについてはほとんど含まれなかったが,ハーブ鶏肉では,モモ,ムネにおいてポリフェノールがブロイラーと比較して有意に高く,ハーブの食餌による影響が示唆された。以上の結果より,鶏の生体内へのハーブ摂取の効果が期待される。

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© 2012 一般社団法人日本調理科学会
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