日本調理科学会誌
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調理によるムクナ属マメの一般成分およびL-DOPAの変化
飯島 久美子川杉 まい藤井 義晴香西 みどり
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2012 年 45 巻 6 号 p. 438-446

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抄録

 最適調理条件(90℃ 3~4時間の浸漬後に40分間茹でる)におけるムクナ属マメの成分変化と,煎り豆,水さらし豆粉と餡のL-DOPA量を測定した。皮剥き茹で豆は炭水化物,タンパク質,カルシウムや不溶性食物繊維が皮剥き豆の80%以上と高い割合で残存し,一方,L-DOPAは残存率が皮剥き豆の30%以下と最も低かった。皮付き煎り豆の適度な焙煎条件は170℃20~30分間あるいは190℃ 10~20分間であり,その時のL-DOPA量は皮剥き豆の45~67%であった。全豆粉のL-DOPA 量は水晒し7回で,生餡のL-DOPA量は水晒し3回でほぼ0になった。このように様々な調理条件と豆のL-DOPA量の関係を数量的に把握したことによりL-DOPAのコントロールが可能となったことを明らかにした。

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© 2012 一般社団法人日本調理科学会
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