日本調理科学会誌
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抗酸化能を高める中国料理献立の食事設計法の提案
長尾 慶子久松 裕子粟津原 理恵遠藤 伸之原田 和樹
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2013 年 46 巻 5 号 p. 324-334

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抄録
 抗酸化能を高めた中国料理献立を立案するために,栄養・嗜好面に配慮した基本献立と食材や調理手法を変えて抗酸化能を高めたモデル献立の抗酸化能を評価した。その結果,大菜の煮込み料理の[紅焼白菜]では食材のカニ,ケール及びエノキタケを選択し,同じく 炒め料理の[木穉肉]では調味料の五分たまり醤油と甜麺醤に薬味のネギ,ショウガを選択した。[湯菜]ではだし素材の干し椎茸と鶏ガラにネギとショウガを加えて加熱した。甜点心の [杏仁豆腐]では,杏仁霜と牛乳で調製した寒天ゲルに,黒糖シロップと果物のブルーベリーを選択し,鹹点心の[餃子]ではキャベツを脱水せずに加え蒸し加熱する方法で,どの料理も抗酸化能を高めることができた。これらを組み合わせたモデル献立にして,数種の測定法で抗酸化を測定したところ,基本献立に比べて抗酸化能の有意に高い中国料理モデル献立として提案できることが示唆された。
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© 2013 一般社団法人日本調理科学会
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