日本調理科学会誌
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大根を用いたきざみ食の食べやすさの検討
―若年者と高齢者の比較―
岩崎 裕子芳賀 芳衣立石 佳彰田中 靖代大越 ひろ
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2014 年 47 巻 3 号 p. 134-142

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抄録
刻んだ大根にとろみあんを付与した混合系試料の食べやすさについて,力学的特性および官能評価(若年者と高齢者の比較)により検討した。
i)大根の破断応力が異なる試料の比較
大根の破断応力が高値な程,官能評価においてかたいと評価された。また,高齢者はかたいと感じる試料ほど,まとまりにくく残留感が多いと評価した。高齢者にとって,固形物の硬さの影響が大きいことが示唆された。
ii)大根ととろみあんの混合割合が異なる試料
若年者,高齢者とも,大根の混合割合が最も多い試料は,最もまとまりにくく,飲み込みにくいと評価された。また,高齢者はとろみあんが多すぎると,べたつき感を強く感じ,飲み込みにくいと評価することが示された。
高齢者と若年者では主観的な感じ方が異なることもあるため,若年者で飲み込みやすいものが必ずしも高齢者が飲み込みやすい食形態であるとは限らない。
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© 2014 一般社団法人日本調理科学会
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