日本調理科学会誌
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コラーゲンペプチドの分子量が米粉ケーキの食味と物性に及ぼす影響
江口 智美池浦 友美土居 昌裕深江 亮平吉村 美紀
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2014 年 47 巻 6 号 p. 287-295

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抄録
平均分子量および分子量分布が異なる3種の豚皮由来コラーゲンペプチド(CP1000,CP5000,CP10000,重量平均分子量Mw=1.1×103,5.4×103,1.0×104で,いずれのCPも多分散性の分子量分布)を,0%(w/w),2%(w/w),5%(w/w)の濃度で,米粉ケーキに添加した。CPの平均分子量および分子量分布と濃度が,米粉ケーキの食味と物性に及ぼす影響について,バッターの密度,ケーキの見かけの比容積,外観,重量変化,テクスチャー特性および官能評価より検討した。
CP1000は,低分子量側の分子画分が最も多く,CP10000は,高分子量側の分子画分が最も多く存在した。CP1000とCP10000の中間であるCP5000を2%(w/w)濃度で添加すると,バッターの気泡が保護されて,ケーキの膨化が維持された。また,好ましい焦げ色や甘味が付与され,やわらかくしっとりして,飲み込みやすく,嗜好性の高いケーキが得られた。以上より,CPの平均分子量および分子量分布と濃度は,米粉ケーキの食味と物性に影響することが示唆された。
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© 2014 一般社団法人日本調理科学会
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