日本調理科学会誌
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ゾル-ゲル混合系試料の力学的特性および官能評価特性に及ぼすゲルの特性の影響
岩崎 裕子大越 ひろ
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2014 年 47 巻 6 号 p. 296-304

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抄録
本研究では,ゲルの特性が異なるゾル-ゲル混合系試料を調製し,ゲルの力学的特性の相違が,混合系試料の力学的特性及び官能評価特性に与える影響を検討した。
ゾル-ゲル混合系試料の調製は,ゲル部分に,分子量の異なる4種の寒天(ウルトラ,大和,UP,ゼラチン寒天)を用い,微細ゲルに成型した。ゾル試料は,トロミ調整食品を緑茶飲料に添加し,粘度を3段階の程度(薄い,中間,濃いとろみ)としたものとし,重量比1対1で混合した。
混合系試料のテクスチャー特性の結果,硬さ,付着性,凝集性いずれも,混合したゲルの特性の影響を顕著に受けた。付着性および凝集性については,ゾルの粘度が高くなる程高値を示し,ゾル粘度の影響もみられた。官能評価の結果,混合系試料の特性は,ゲルの官能評価特性とは異なったことから,試料を口に入れ飲み込むまでの咀嚼過程におけるゾルとゲルおよび唾液と混合した際の特性により評価されることが示唆された。
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© 2014 一般社団法人日本調理科学会
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