抄録
目的:「食事づくり力」質問紙は,女子大学生を対象にした4因子18項目の尺度である。「食事づくり力」と調理技能との妥当性を明らかにすることを目的とする。
方法:対象は,栄養学を専攻する女子大学生(59名),その他の専攻の女子大学生(52名)とし,両専攻の対象者を,「食事づくり力」得点により3分位に分けた。調理技能得点として,切り方と献立調理の2種を用い,共分散分析により,群間差を検討した。
結果:栄養学専攻学生では,調理技能得点は,「食事づくり力」得点と有意な関連(p=0.004)が認められ,「食事づくり力」の高い群は,低い群よりも,有意に調理技能得点が高かった。他専攻学生では,調理技能得点は,「食事づくり力」得点と有意な関連は認められなかった。
まとめ:元々,栄養や食に関心が高い女子大学生の「食事づくり力」を捉える尺度として,調理技能からも妥当性を有することが示された。