日本調理科学会誌
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真空調理における調味液添加がジャガイモ(メークイン種)のテクスチャーおよびビタミンCに及ぼす影響
中嶋 名菜坂田 春菜北野 直子松添 直隆白土 英樹
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2015 年 48 巻 3 号 p. 187-192

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抄録
 本研究では調味液添加時の真空調理の特性をとらえるために,1%の調味液を添加したときのテクスチャーおよびビタミンCについて,ジャガイモを用いて検討した。調理法は通常調理(水煮)または真空調理で行い,調味液は無添加(水のみ),1%食塩水,1%砂糖水で比較した。
 その結果,硬さについては通常調理では調味液間の差が認められなかった。一方,真空調理では1%食塩水が最も硬く,次いで無添加,1%砂糖水の順であり,1%食塩水,1%砂糖水間で有意な差が認められた(p<0.05)。付着性は食塩添加により,通常調理に比べ真空調理において有意に高値を示した(p<0.01)。
 ビタミンC量は無添加,1%食塩水,1%砂糖水の40分間加熱において真空調理が通常調理よりも有意に高かった(p<0.05)。
 これらのことから,40分間加熱において真空調理は通常調理に比べ1%調味液添加(食塩,砂糖)の有無に関わらずビタミンCを食品中に保持すること,真空調理では長時間の加熱(40分間)において1%食塩水が1%砂糖水に比し有意に硬くなることが確認された。
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© 2015 一般社団法人日本調理科学会
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