日本調理科学会誌
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調製条件の異なる半乾燥キノコの茹で加熱調理時における品質及び抗酸化性の検討
久松 裕子重村 泰毅小林(粟津原) 理恵長尾 慶子
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2015 年 48 巻 4 号 p. 285-291

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抄録
 我々は植物性食品を効率よく摂取する方法として,その半乾燥状態に着目し実験を行っている。本報では,健康機能食品素材として注目が高まっている半乾燥キノコを取り上げて茹で加熱調理における品質と機能性の評価を行い,最適な乾燥条件を検討した。その結果,天日・恒温庫の乾燥方法の種類に関わらず,乾燥後の茹で加熱試料では,乾燥せずに茹で加熱を行った基準試料に比べて,重量と形状が有意に小となった。遊離アミノ酸総量の測定では,マイタケの恒温庫乾燥試料においてアミノ酸類の増加が見られた。しかし,そのうち,苦みを持つアミノ酸が比較的多かった。マイタケ試料において,ビタミンD2の測定では,天日乾燥法で増加傾向が見られ,抗酸化能評価としてのペルオキシラジカル捕捉活性測定では,シイタケ及びマイタケの重量減少率50%試料が大となった。これらから,キノコを茹で加熱調理した時の品質や抗酸化性からみて,天日乾燥法で重量減少率50%に乾燥する調製条件が最適だと示唆された。
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© 2015 一般社団法人日本調理科学会
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