日本調理科学会誌
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愛知県の尾張および三河地域の雑煮の特徴とその要因
間宮 貴代子小出 あつみ阪野 朋子松本 貴志子山内 知子
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キーワード: 雑煮, 愛知県, 三河, 尾張
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2016 年 49 巻 1 号 p. 58-64

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抄録

 本研究では愛知県の雑煮を構成する食材について検討した。愛知県の雑煮の食材構成では,東日本で多く使用された角餅に,醤油とかつおだしの清まし仕立てが多かったが,これは味噌仕立を嫌った武家社会の歴史的影響である。具は古くからの形式が現在も維持され,縁起担ぎから,尾張地域在来の餅菜が使用され,かまぼこ・なるとを加え,かつお削り節を添えていた。しかし,尾張地域と三河地域には相違点がみられた。和風風味調味料の使用が,女性の労働力率が高い三河地域で有意に多かった。また,三河地域の雑煮の具は,収穫量が多い白菜,豆腐・油揚げ(大豆),人参を使用する地産地消の傾向が伺え,尾張地域より多彩な具であった。

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© 2016 一般社団法人日本調理科学会
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