日本調理科学会誌
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生おからを主原料とした加工食品の開発
柴田(石渡) 奈緒美川口 恵美安藤 祥充稲川 幹夫星田 博文
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2016 年 49 巻 6 号 p. 355-361

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抄録

 豆腐の製造工程において副産物として排出される生おからは豊富な栄養価を持つにも関わらず,大量に廃棄されている。そこで本研究は,生おからの効率的な有効利用と朝食欠食問題解決の手段として,生地重量に対して70%の生おからを用い,シリアルに類似した加工食品の開発を目指した。3種類(100℃,120℃および150℃)の設定温度において生地を焼成し,含水率,水分活性,破断応力,色彩,牛乳に浸漬させた際の重量増加率の測定と試料表面の観察を行った。また,作製した試料の品質の検証として,市販されているシリアルの品質を同様に測定し,比較した。その結果,一次加工を施していない生おからを重量に対して70%使用しても,生地を薄くのばし焼成することで,シリアルに類似した加工食品を作製することが可能であった。また,焼成条件は100℃で90~120分が,硬さ以外の品質項目において市販品に近い値を示すことが明らかとなった。

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© 2016 一般社団法人日本調理科学会
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