日本調理科学会誌
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岐阜市の学校給食における卵と小麦の使用頻度の実態
柴田(石渡) 奈緒美松波 由奈大場 君枝
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2017 年 50 巻 2 号 p. 60-66

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抄録
 岐阜市の学校給食献立を対象に,食物アレルギーの原因食物である卵と小麦を含む料理を分析した。その結果,主食の62.5%に小麦が使用されていた。おかずを調理形態別に分類した結果,卵と小麦の両方にアレルギーを有する児童は,おかずの料理の中で28.4%食することが出来ないことが明らかとなった。さらに,子どもが喜ぶ給食メニューのカレーライスとハンバーグは提供回数が多い料理であったが,カレーライスのルーには小麦,ハンバーグには卵と小麦の両方が使用されていた。解決策として,100%米粉を使用したパン・麺を学校給食に導入する,卵を途中で投入・盛り付ける前に,アレルギー児用にあらかじめ取り分ける,とろみをつける役割やつなぎ,揚げ物のバッターの代替となる食材の調理特性を検証する,企業や教育機関が連携し,学校給食に導入できる価格帯の食物アレルギー対応食品の開発を促進することが挙げられる。
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© 2017 一般社団法人日本調理科学会
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