日本調理科学会誌
Online ISSN : 2186-5787
Print ISSN : 1341-1535
ISSN-L : 1341-1535
報文
セルロース粉末を活用した低カロリー製パンの品質評価に関する研究
柏野 由加里河野 俊夫篠原 亜里紗張 夏
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 50 巻 6 号 p. 222-227

詳細
抄録
 セルロース粉末は,食物繊維を豊富に含んでおり,様々な機能性を有している上にカロリーがほぼない。本研究では,小麦粉の一部をセルロース(Ⅰ型あるいはⅡ型)粉末で置換したときのパンについて品質評価を行った。評価項目は,生地発酵力,ローフ比体積,ローフ高さ,クラムとクラストの色調,クラムの微細構造,クラム硬さである。生地発酵力,ローフ比体積,ローフ高さは,セルロース粉末の配合割合が高いものほど低かった。また,セルロース粉末の配合割合が高いものほど,焼き色が薄くなった。10%および15%配合したときのクラムの硬さは,コントロールと同程度の硬さであったが,20%配合時は有意に硬かった。一方で,クラムの硬化速度においては,セルロース粉末パンとコントロールとの間に有意差は認められなかった。
著者関連情報
© 2017 一般社団法人日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top