日本調理科学会誌
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学生自身による手作り弁当および市販弁当の栄養評価と回帰木分析を用いた栄養改善
清水 友里谷米(長谷川) 温子若林 素子
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2018 年 51 巻 1 号 p. 42-52

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抄録
 20代男女の日常的な食事摂取状況の把握を目的として,昼食形態でよく選択される弁当を調査対象とし,学生自ら計画・調理した手作り弁当と市販弁当の栄養調査を行った。ビタミンA,Cおよび葉酸や鉄は,手作り弁当の含有量が市販弁当に比べて1.5から5.7倍多かったものの,エネルギー量は市販弁当の80%以下であり,手作り弁当で各自の推定エネルギー必要量を満たしているものは5%に満たず,特に男性のエネルギー不足が顕著であった。女性では脂質の%エネルギー値が目標値を上回っていた。そこで,弁当のエネルギー量を目的変数とし,回帰木分析を行ったところ,最も寄与する因子は炭水化物量であった。主食を味付け飯に調理することにより,弁当の容量に対する詰める割合が増加し,炭水化物量が増加する傾向が示された。また,回帰木分析は変数間の関係を把握しやすいため,栄養評価において,回帰木分析は有効なツールとなり得ることが示唆された。
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© 2018 一般社団法人日本調理科学会
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