日本調理科学会誌
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純ココア粉末の置換率がスポンジケーキの品質と食味に及ぼす影響
柴田 圭子高見 朋子関 桃子渡邉 容子
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2018 年 51 巻 1 号 p. 7-16

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抄録
 純ココア粉末を用いて,薄力粉重量の10%,20%,30%,50%および70%を置換した各スポンジケーキを調製し,C10,C20,C30,C50およびC70とした。
 ケーキバッターの比重およびスポンジケーキの硬さは,ココア粉末置換率の増加に伴って上昇したが,ケーキの比容積および凝集性は逆の傾向を示した。C50およびC70の比容積は他の試料より有意に低値であった。 ケーキの硬さはC30付近から増加する傾向にあり,凝集性はC30から有意に低下した。官能評価の総合的な嗜好性において,比較的評価の高いC20とC30に有意差は見られなかったが,C10,C50およびC70は有意に低く評価された。 C50の小麦粉を小麦でんぷんに置き換えたD50を用いてケーキ体積の抑制原因を検討したところ,主な原因は卵の気泡周囲を取り囲むデンプン量の相対的減少であることがみとめられた。
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© 2018 一般社団法人日本調理科学会
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