抄録
押麦(60%搗精)と丸麦(85%および60%搗精)を米と混炊し,各々の単独炊飯と比較した。大麦単独炊飯において丸麦は昇温速度を遅くすると飯の還元糖量,グルコース量が増加したが,押麦は顕著な増加はみられなかった。丸麦と米の混炊により還元糖量,グルコース量は単独炊飯から算出した計算値よりも実測値において高い値が得られることが明らかになった。酵素が失活している押麦は混炊により糖量が増加したことから炊飯中に,米の酵素の作用を受けたことが推察された。飯の物性は大麦と米を混炊することで米飯に比べ粘りが著しく低下した。