2018 年 51 巻 5 号 p. 276-281
キャベツを外葉,中葉,内葉に分けて試料を調製し,100°C及び70°C蒸し調理における加熱温度の相違がアスコルビン酸(AA)量に及ぼす影響を検討した。
AA含有量は部位によって異なり,外葉,中葉,内葉の順に多く含まれていた。蒸し鍋と電子レンジにより蒸し調理した結果,いずれの部位においても電子レンジ加熱でのAA残存量が最も多く,次いで100°C,70°Cであった。中葉について100°C蒸しと70°C蒸しにおけるAA量の経時変化を調べると,10分後のAA残存率は70°C蒸しで有意に低く,20分でも70°C蒸しの方が低い傾向にあった。蒸し時間を10分にして温度を変えると,AA残存率は100°Cで81.1%,70°Cで59.2%,50°Cで91.2%であり,70°C蒸しの減少量が最も多かった。電子レンジ加熱後に70°C蒸しを行うと,AA量の減少が抑制された。