日本調理科学会誌
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ココアスポンジケーキの品質に及ぼす撹拌回数の影響
柴田 圭子高見 朋子関 桃子渡邉 容子
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2019 年 52 巻 2 号 p. 103-108

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抄録

薄力小麦粉の30%を純ココア粉末で置換したスポンジケーキの品質および食味におよぼすバッター調製時のゴムベラでの撹拌回数の影響を検討した。撹拌回数は20~50回まで10回刻みで行い, S20,S30,S40,S50とした。対照試料(ココア粉末20%)は50回撹拌したもので,前報より用いた。

バッター比重はS50が対照試料より有意に高値であった。ケーキ比容積はS20およびS50において,対照試料よりも有意に低値であった。ケーキの硬さは,対照試料と全ての回数間に有意差はみられなかった。しかし,ケーキ気孔壁の塑性によるひずみや構造の圧密の程度を示すと考えられる凝集性は,S20とS30で有意に低値を示した。バッター比重,ケーキ比容積,力学的物性などの測定から考えると,ココア粉末置換率30%の場合,対照試料と同程度の品質のケーキにするためには,撹拌回数を40回とするのがよいと結論した。

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© 2019 一般社団法人日本調理科学会
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