日本調理科学会誌
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しょうゆと郷土料理の相性に関する研究(第3報)
―九州―
武田 珠美木本 いつか大友 裕絵今村 美穂
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2019 年 52 巻 2 号 p. 93-102

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抄録

北海道,関東,九州の各しょうゆと九州の郷土料理「だご汁」との相性について,熊本在住の幼児から高齢者の6世代を対象に嗜好型官能評価により調べた。冷奴を参考として用いた。また,料理の評価にしょうゆによる違いが現れる年代を検討した。官能評価結果への食生活の関与を決定木分析により調べた。Wilcoxonの符号順位検定の結果,だご汁と関東Aおよび九州のしょうゆの相性が良いと評価したが,冷奴は九州のしょうゆと相性が良いとした。だご汁,冷奴ともその嗜好評価にしょうゆによる違いが現れるのは,中学生からであると考えられた。

冷奴の「味の嗜好」の評価において,九州のみ評価点が高い人は熊本居住が10年以上,さらに成人以下の年代でしょうゆを使った料理の摂取頻度が2日に1回以上の人に多く,地元しょうゆに対する嗜好の形成が示唆された。

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© 2019 一般社団法人日本調理科学会
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