日本調理科学会誌
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豆腐と自然薯を用いた気泡含有製品の創成と嚥下困難者用食品への利用適性
宮下 朋子水尾 和雅原田 和樹長尾 慶子
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2019 年 52 巻 3 号 p. 176-181

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抄録

 豆腐に撹拌時間を変えた自然薯を混合した嚥下困難者用製品を創成し,その物理的性質,嗜好性及び抗酸化能を検討した。製品のみかけ密度は,気泡の混入により撹拌16分まで減少を続け撹拌18分で増加したことから,撹拌16分の製品が良いと判断した。また,製品のテクスチャーは,消費者庁で定める嚥下困難者用食品の許可基準Ⅲの許容範囲内であった。10分から16分の撹拌時間で調製した製品に対する官能評価の結果,いずれも製品として認められるとの評価を得た。抗酸化能の指標となるORAC値は,674~601[TE/100 g]であり,これはニンジンの抗酸化能値に匹敵していた。この自然薯豆腐製品は,健康増進機能性を高めた嚥下困難者用食品としての可能性が示唆された。

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© 2019 一般社団法人日本調理科学会
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