日本調理科学会誌
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サラダの色彩が色イメージと嗜好性に及ぼす影響
松田 寛子山口 智佐藤 真弓加藤 由香白 璐柴田(石渡) 奈緒美坂田 菜摘島本 国一白井 隆明
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2019 年 52 巻 3 号 p. 182-191

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抄録

 本研究では,日本人の食生活に欠かせない料理の1つであるサラダに着目し,サラダの色彩が色イメージと嗜好性に与える影響の解明を目的とした。基本色6色に該当する野菜で作製した,単色サラダ6つおよび配色(2色)サラダ11つの写真見本を用いて,20~40代の男女40名にアンケートを実施した。その結果,回答者40名において,基本色がもつポジティブなイメージは,単色サラダにおいては緑サラダに,配色サラダでは緑×赤サラダに抱かれやすいことが分かった。また,緑×赤サラダは配色率に関係なく,嗜好性においても高く評価された。一方,緑×白サラダに対する評価は低かった。さらに,「美味しそう」や「食べたい」と感じる配色サラダは,回答者の半数以上がいずれも450円での購入を希望した。以上の結果より,サラダにおける配色をはじめとした色彩は,色彩学的思考と必ずしも一致せず,サラダを食べる人個人が持つ長期的な心理的背景と共に嗜好性に影響を与えると示唆された。

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© 2019 一般社団法人日本調理科学会
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