2019 年 52 巻 6 号 p. 405-412
本研究では主要アレルゲンである鶏卵,小麦および牛乳を使用しないハンバーグの調理方法を検討した。
ハンバーグには鶏卵,パン粉および牛乳が使用されている。そこで鶏卵の代わりにすりおろした長芋と大和芋,パン粉と牛乳の代わりに豆腐とおからを使用した。その結果,卵,パン粉および牛乳の全てを1種類の食材で代替すると,焼成後ひき肉同士が接着されない,通常のハンバーグ(標準試料)と比較し有意に硬くなる等,同等な品質を担保できないことが明らかとなった。2種類の食材で代替すると,焼成後,ひき肉同士が接着されていた。また代替する豆腐の含水率を変化させることで,焼成後のハンバーグの硬さを調節できることが明らかとなった。これに対しておからを代替する食材として使用した場合,硬さを調節することは難しいことが示唆された。また大学生を対象とした官能評価より,長芋と30分水切りした豆腐を使用したハンバーグが,標準試料に近い品質であることが示唆された。