日本調理科学会誌
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教員からみた小学校家庭科における炊飯実習の現状と課題
三浦 加代子坂本 薫中谷 梢作田 はるみ橘 ゆかり岩城 啓子升井 洋至森井 沙衣子川西 正子堀内 美和片平 理子白杉(片岡) 直子井奥 加奈横溝 佐衣子岸田 恵津
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キーワード: 家庭科, 炊飯, 小学校, 実習, 実態
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2020 年 53 巻 1 号 p. 44-52

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抄録

 小学校家庭科での炊飯学習のあり方を検討することを目的に,近畿および関東の公立小学校の家庭科担当教員を対象に,教育現場での炊飯実習の実態を調査した。平成25年に近畿630校,平成26年に関東700校を無作為に抽出し,炊飯実習に関する調査票を郵送した。近畿306校,関東234校より回答が得られた。炊飯実習は約97%が5年生を対象に実施されていた。90%以上が鍋を用い,材質はガラスが85%を占めていた。炊飯実習の米の量,洗米,水加減,浸水時間,加熱の仕方などの指導は教科書の方法に従って行われていた。教員が実習で困っていることは,「火加減の調節の指導」,「焦げること」が多くあげられた。教員は,児童が自分でご飯が炊けた達成感を感じ,ご飯が炊けるまでの変化に興味をもっていたととらえていた。教員は炊飯実習を有意義な実習であると考えていた。「火加減の調節の指導」や「加熱時間の調整の指導」,「焦げることへの対応」は今後の検討課題である。

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© 2020 一般社団法人日本調理科学会
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