日本調理科学会誌
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調味料を添加して炊飯した米飯の圧縮米飯粒を用いた初期老化の評価
大田原 美保北原 茉美大石 恭子香西 みどり
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キーワード: 米飯, 老化, 画像解析, 明度, 調味料
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2020 年 53 巻 3 号 p. 187-196

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抄録

 先に著者らは白飯を用いて米飯の初期老化の評価方法を検討し,米飯1粒を一定厚さにつぶした圧縮米飯粒の明度測定と画像解析による新たな方法を示した。本研究ではこの評価法の拡大適用を目的として,調味料を添加して炊飯した米飯の初期老化の評価を行った。物性測定の結果,食塩添加飯は白飯よりも老化が進み,食酢は老化を抑制する傾向が示された。合わせ酢添加飯は食酢添加飯と同傾向を示し,砂糖や塩が共存しても食酢の影響を強く受けることが示唆された。圧縮米飯粒のL*値および透過光画像の輝度値130以下の割合(白色面積率α130)より,冷蔵14時間後の食塩添加飯は白飯よりも値が高く老化が進んでいること,食酢や合わせ酢添加飯は値が低く老化が抑制される傾向が示された。L*および白色面積率α130のいずれも物性測定値や官能評価との相関が高かった。以上より調味料添加米飯においても白飯と同様に圧縮米飯粒のL*や白色面積率α130が老化の指標となることが明らかとなった。

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© 2020 一般社団法人日本調理科学会
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