低アミロース巨大胚品種(金のいぶき),低アミロース品種(たきたて),普通種(ひとめぼれ)の3品種の玄米を試料とし,生米および浸漬1時間後に炊飯する白米の常法で調製した玄米飯の成分分析を行い,物性ならびに食味に与える影響を調べた。また比較として24時間浸漬をして炊飯した玄米飯の物性および食味も調べた。通常浸漬炊飯において,金のいぶきはたきたて,ひとめぼれに比べて炊飯過程における吸水率が高く,溶出固形物量が多く,外皮が破裂する米粒の割合も高かった。また遊離糖および遊離アミノ酸量も生米,飯のいずれも金のいぶきが最も多かった。物性測定ならびに官能評価では24時間浸漬をした飯において3品種間の違いが明瞭になり,金のいぶきは物性および食味の評価が向上し,低アミロース米の特徴と巨大胚芽米であることの影響が顕著に示されることが明らかとなった。