ジャック・ピュイゼの味覚教育の理念を取り入れた給食指導プログラムを開発し,小学校3年生に実践し,その効果をみることを目的とした。児童が五感を一つずつ使い,感じたことを言葉にする感覚のワークシートを作った。児童が言葉をイメージできるようにマンダラートで児童に練習をさせた。そして,給食の感想を自由記述する「味わいカード」に児童は自分の自由意志で給食の感想を6ヶ月続けて書いた。
児童の記述には初めは「おいしい」という言葉だけであったが,児童の記述は色や形,食感,音,においなどの言葉が増えた。初めは児童の給食の残菜率は大きかったが,だんだん少なくなり6ヶ月後にはほとんどなくなった。味覚教育を行ったことで,食べものをよく観察し,感じ,進んで食べものに向き合い,残菜率が減少し,完食率が上昇するなど児童の食行動が変化した。